【第13回】キラキラおちょこガール
13回目となりました「キラキラおちょこガール」。
日本酒に携わる女性がきらきらと輝いている姿をお届けする企画。
13人目のキラキラおちょこガールは、名古屋市内「四間道(しけみち)」の一角にある関谷醸造直営のSAKEBAR『圓谷』の大塚菜々美さん。プライベートなことから仕事のことまで、彼女のキラキラを徹底取材!
―まず初めに、大塚さんのおちょこガール歴を教えてください。
大塚さん:ここに来てからなので、4年ぐらいになります。
―続いて、自己紹介をお願いします。
大塚さん:出身は静岡で、名城大学に入学して愛知にきました。圓谷は最初アルバイトとして入って、そのあと正社員として働いています。
―名城大学さんって確か日本酒を造ってましたよね!
大塚さん:農学部はやってたと思うんですけど、私は経営学部だったので全然関わっていなかったんです(笑)正直、バイトするまで日本酒をあまり呑んだことがなかったんですよ。呑む機会がほとんどなくて、ビールとかも呑んでなかったです。
―じゃあ、圓谷さんに入ってから日本酒を呑み始めたんですね!
大塚さん:そうですね!大学のサークルの飲み会とかで安い熱燗とか呑んだことはあったけど・・・ここへ来てだいぶ日本酒へのイメージが変わりました。
―なるほど、ちなみにサークルは何をされていたんですか。
大塚さん:バンドサークルで、ギターとボーカルをやっておりました(笑)
―かっこいい!今も続けられてるんですか。
大塚さん:今は趣味程度ですけどね。家にギターがあるので、それを軽く弾くぐらいです。
―そういえば、お店で圓奏会(えんそうかい)っていう音楽イベントを開催されていますよね!
大塚さん:はい!今年の圓奏会でもちょっと歌わせてもらいました。
―まさかのスタッフさんが演奏って、お客さんもびっくりしそうですね!
大塚さん:そうそう(笑)もう一人、スタッフの中にギターを弾ける子がいて、その子と毎年演奏してるんです。
―ちなみに前回はどんな曲を?
大塚さん:前回は、キューティーハニーでした!(笑)
―まさかの選曲(笑)お店の雰囲気とはまた違って面白いですね!
大塚さん:エレクトーンを引いている方がアニメの音楽が好きで、そういう曲も入れたいっていう要望だったんです(笑)
―盛り上がりそうですね!
―続いて、プライベートについて伺います。休日の過ごし方を教えてください。
大塚さん:休日は割とのんびりしてます。昼過ぎに起きて、買い物に行って、夜ご飯を作るか呑みに行くか・・・そして寝るみたいな(笑)
―最高の休日ですね(笑)ごはんはお酒のアテとか作ったりしますか。
大塚さん:うーん、いざ聞かれるといつも何作ってるんだろう(笑)作るってわけではないけど、新鮮なお魚が入る市場みたいなところが大須にあって、そこでカットしてもらったお刺身と一緒に日本酒を呑んだりしますね。
―合わせる日本酒はやっぱり関谷醸造さんのものですか。
大塚さん:もちろんうちのお酒も呑むんですけど、他の酒蔵さんのお酒も結構家にあります!前は、あまりお酒買いに行くことはなかったけど、最近は酒屋の「酒泉洞ホリイチ」さんとか「THE KURA」さんとかへ行ってます。あと、旅先で結構買っちゃいますね(笑)
―旅先ですか!旅行お好きなんですね!
大塚さん:色んな場所をプラプラすることが好きです!
―今まで行って一番良かった場所はどこですか。
大塚さん:そうだなぁ・・・去年行った金沢は良かったです。
―金沢いいですよね!兼六園とか?
大塚さん:実は、3回くらい金沢に行ってるのになぜか兼六園へは1回も行ってないんです。茶屋街とか市場には行ったんですけど・・・結局どこに行っても食べ呑みに走っちゃうんです(笑)
―結局ね、呑んだり食べたりが最高ですよね!
大塚さん:そう!昼から呑み歩けることが幸せすぎて・・・!
―(笑)地酒って惹かれますよね、私もついつい呑んじゃいます!
―続いての質問です。一番好きなお酒の種類は何ですか。
大塚さん:日本酒かなぁ。やっぱり一番色んな種類を呑んだことがあるので。
―関谷醸造さんの中で一番好きな日本酒は何ですか。
大塚さん:今はお店に置いてないんですけど、『山廃純米 ROKU10年古酒』という日本酒があって、それが好きでした。紹興酒のような味わいで、熟成感がすごいです。見た目もけっこう茶色いんですよ。
―呑んでみたい! 関谷醸造さん以外だと、お気に入りのお酒はありますか。
大塚さん:実家でお父さんが好きで呑んでいた、新潟の“〆張鶴”かな。結構ドライな味わいで、辛口のお酒が好きなのでお気に入りです。香りが強めのものより、ドライ系か熟成系が好きですね。食事と一緒に呑むことが一番多いので。
―食も一段と進みますよね!
―続いて、お仕事について伺います。
現在の仕事に就いたのはアルバイトがきっかけということですが、圓谷さんと巡り合った経緯を教えてください。
大塚さん:もともとは建物がきっかけなんです。古民家が好きで、調べていたら名古屋に築150年ほどの米蔵を改装してできたお店があると知ったんです。大学2年の頃で、ちょうど友達と一緒にアルバイトを探していたので応募しました。アルバイトとして圓谷に入って、仕事が楽しく働く環境もすごく良かったので、卒業してからもそのままここに就職させて頂きました。
―アルバイトの時と現在では、ポジションは変わりましたか。
大塚さん:ホール業務がメインなところは変わらないのですが、始めたころは注文を取って提供するぐらいだったのが、今は予約の管理だったり、料理に合わせたお酒、ペアリングを考えたりもしています。
―より深い所まで携わるようになったんですね。
―接客をする上で何か気を付けているポイントはありますか。
大塚さん:例えば、お客さんがお話好きな方だったらお酒のお話とかをするんですけど、そうでない方だったらなるべく場を邪魔しないように気を付けています。
あと、よくオススメを聞かれることがあるんですが、例えば何杯か呑まれた方だったら、どのお酒が好きだったか伺って、好みの味わいに近いものをお出ししています。
―なるほど、お酒や食事はスタッフの皆さんで試飲試食されたりするんですか。
大塚さん:コース料理はスタッフで試食しながらマリアージュを考えたりしますね。あと、休みの日にちょくちょくお店に来て、メニューを頼んで食べ呑み比べしたりしてます。やっぱり実際に味わってみたほうがよくわかるので。
―勉強熱心ですね!お店で日本酒の研修などはされるんですか。
大塚さん:研修はないです。なのでスタッフ内で自主的にやっています。半年前に1回・・・それからはやってないですが(笑)そういったことをすると、自分も改めてお酒について再確認ができるので大事だな、とは思いますね。頻繁に呑まないとお酒の説明もできないですし、意外なお酒が熱燗にむいていたりして、やってみないと分からない事ってありますよね。
―確かに!あと、お酒の造りとかも難しいですよね。
大塚さん:いろんな工程があるから、急に聞かれるとドキッとしますよね。それがちょっと怖いので、最近は唎酒の資格を取ったり、講座に行ったりしています。
―講座ですか!休日に通われてるんですか。
大塚さん:そうですね。土曜日に1回、愛知大学のオープンカレッジで「いなみん」さんの日本酒講座があるのでそれに行っています。
―社内で、資格取得やそういった講座の受講は推奨されているんですか。
大塚さん:そういうのは自主的っていう感じです。私は資格を持っていて損はないので取ったほうがいいかなと思って勉強しています。
―資格を持つと自信にもつながりますよね!
大塚さん:そうですね。次は仕込みツアーがあるんですが、その回は私が提案したお酒を造るんです。そういった知識を今後よりもっと活用していけたらなって思います。
―ちなみに、現在はそういった仕込みツアーや圓奏会などのイベントにどう関わっていますか。
大塚さん:イベント自体には、今まではスタッフとして関わっていましたが、最近はイベント内容の企画にも関わるようになりました。お店の6周年のイベントでは唎酒のコーナーを企画し、出題する問題の内容などを考えました。
―どんな問題を出されたんですか。
大塚さん:今年は「一念不動」っていう吟醸工房のお酒を4種類出したんですけど、そのお酒の精米歩合を当ててもらう、とかです。
―難しそう!ちなみに正解率は?
大塚さん:めちゃめちゃ少なかったです(笑)やっぱり呑んだことないとわからないですよね。正直、お米の種類とか精米歩合とか、書いてあっても私もわからないし。
―でも、そういうのがきっかけで意識して呑めると面白そう!
大塚さん:ですね!同じお米でも磨きが違うだけで味が変わったりするので、比べてみて感じるものもあるかなと思います。
―イベントでの接客は、やはり普段とは違いますか。
大塚さん:そうですね、イベントの時は普段呑みにみえない方が来られるので、なるべく一からお酒について説明できるようにしています。
―今後はこういうイベントを企画してみたい、などはありますか。
大塚さん:企画ですか・・・私がお店に入る前のことですが、女圓(じょえん)の会っていう女性限定の会を開催していたらしく、そういう対象を絞った集客で濃い内容のイベントができたら面白いなって思います。
―おちょこガールとしても、ぜひやって頂きたいです!
―今まで仕事をしていて一番うれしかったのはどんな時ですか。
大塚さん:やっぱり、“来てよかった”と言ってもらえるのがとっても嬉しいですね。お帰りの際に“料理もお酒も接客も全部良かったからまた来る“と言って頂けたり、遠方からのお客様が”名古屋に来たら絶対に来る”と言ってくださったりすると嬉しくて、今日もめっちゃ頑張るぞっ!てなりますね(笑)
―今後、こんなお店にしていきたいっていう想いはありますか。
大塚さん:私はもっと若い方にも来て頂きたいって思っています。幅広い世代の方に日本酒を好きになってもらえるきっかけになるお店にしていきたいです。
若い方って一回来て写真を撮って満足しちゃったりするので、日本酒を好きになってもらって、もう一回お店に来てもらうにはどうしたらいいかな、と最近は考えていますね。
―お店で開催される、他にはあまりないイベントをきっかけに、もっと若い方にも注目して来てもらいたいですね。
大塚さん:そうですね!
―次に、最後の質問です。大塚さんにとって日本酒とはどんなものですか。
大塚さん:うーん、迷うな~。・・・毎日のおともで!(笑)自宅に日本酒が結構あるので、仕事が終わった後の、あ~終わった~っていう癒しの時間に、必ずそばにあるものかな!
―お客様に魅力を伝えるためにお酒について熱心に勉強し、今では日本酒が癒しの存在になっている大塚さん。そんな、仕事にひたむきな大塚さんに会いに来るお客様も少なくないだろうと思います。本日は貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました!