にほんしゅ ちょこっと講座
- ochoco-g
- 6 日前
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第10回「日本酒の火入れ①」~なぜ火入れを行うの?~

皆さんは「火入れ」という言葉を聞いたことはありますか?日本酒の火入れには一体どのような目的があるのでしょうか?
にほんしゅ ちょこっと講座 第10回は「日本酒の火入れ」について学びましょう!

「火入れ」というと日本酒を直接火にかけるようなイメージがあるかもしれませんが、
実際はお酒が60℃~65℃の温度になるように一定時間加熱することをいいます。
発酵が終わり、もろみを搾った後の日本酒にはまだ酵母が生きた状態で残っているため、そのままでは発酵が進み、味わいが変化してしまいます。
火入れを行うことで酵母の働きを止め、日本酒の味わいを一定に保っているのです。

また、火入れにはお酒を殺菌する目的もあります。
通常、アルコール度数が10度程度あると普通の菌は生きていられないのですが、日本酒造りに欠かせない「清酒酵母」や、日本酒を劣化させてしまう「火落ち菌」はアルコールの中でも繁殖できるのです。
特に「火落ち菌」と呼ばれる乳酸菌の一種が日本酒の中で繁殖してしまうと、お酒が白く濁ったり、香りや味わいが酸っぱくなったりと品質に大きな影響を与えてしまいます。
火入れをすることで、日本酒に有害な菌を殺菌して品質を守っているのです!

では、どのようにして火入れを行うのか、代表的な「蛇管式」と「瓶燗火入れ」の2つの方法を見てみましょう。
「蛇管式」は、熱湯を張ったタンクに「蛇管」と呼ばれるコイル状に巻いた管を入れ、蛇管にお酒を通して火入れを行う方法です。最近では蛇管式に代わって「プレートヒーター」という装置を使い、より短時間に大量に火入れを行う方法が主流となっています。
「瓶燗火入れ」は瓶詰めしたお酒を水の中に入れ、お酒の温度が65℃程度になるまで湯煎して火入れを行う方法です。こちらは手作業で加熱・冷却を行うので一度に火入れできる本数は限られますが、香りや味わいの劣化を少なく抑えることができるため、高級酒等の火入れで使われています。
この他にも火入れの方法がいくつかあるので、気になった方は調べてみてくださいね。
温める温度が高すぎるとアルコールが飛んでしまったり、長時間温め続けてしまうなど日本酒の香りが損なわれてしまうなど、火入れはとても繊細な作業なんです。
火入れを行うタイミングや、火入れの回数によって日本酒の味わいが変わってくるのですが、こちらは次回のちょこっと講座で詳しく学びましょう!
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